☆ 元請業者に思うこと

現在、大規模修繕工事の顧問をしているマンションの現場で、居住者からのクレームが徐々に増えて、元請会社の現場管理(施工,工程、安全等管理)に非常に苛立っている物件があります。というのも、そのマンションには設計事務所の工事監理者がおり、当初から工事着手が遅く、作業も荒かったので、私の方からは居住者目線で注意しました。しかし工事監理者ではないため、注意しても現場管理者から柳に風のような対応をされました。結果としてクレーム(汚したり、傷つけたり、仕上がりが悪かったり)が増えたのですが、イラッとする最大の理由はなんといってもそのクレーム対応で、居住者からクレームが出れば、ただ下請け業者を叱り、クレームの出た所を直させればよい。という姿勢です。こちらがその点に対し、元請会社として具体的な改善策を、と言っても、クレームの場所は直しています。直しているのにどこが悪いのか。と開き直っています。本来仕事というものは、依頼者の出来ないこと、必要なものに対し、金銭と引き換えに技術や商品を提供するわけで、お金をもらって仕事をする以上、最良の仕事をすることがプロの仕事だと思います。それが今では、素人である顧客に対し取敢えず工事をし、指摘を受けたところだけを手直しするという仕事で、素人相手にそれがわからなければ特に手直ししないような仕事ぶりであります。※特に手直ししない所は一般的に手抜き工事といわれる部分かと思います。

最近の元請会社(専業の改修ゼネコンから大手ゼネコンまで)の現場責任者は資格はあるものの現場を見ていないのか実務的な知識と経験がなく、私の目から見ると、どうも自分の会社から「施工については口を出すな。下請けの言う通りにさせ、問題があれば下請けに責任を取らせるよう対応しろ」と指導を受けているように思います。改ざんの問題等はその延長線上だと思います。

建設工事は人々の暮らしに直結するもので、そのように大事な仕事であることを工事に携わる者は十分認識し、自己研鑽してほしいと思います。

2016年07月10日